グローバル気候変動

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グローバル気候変動

地球環境の総体的な状態である気候は、大気・海洋・地表で発生する様々な現象の相互作用によってもたらされております。しかも、この気候は時間的にかなり大きく変動しながらも準平衡的に維持されている事が特徴です。従って全球的な気候変動を解明するためには、気候モデルの結果と実際の観測データの双方に基づいて、準平衡状態の維持と変動に関与している様々な現象の実態と作用に立ち入って調べる必要があります。

地球スケールでみる夏の降水分布

図1は、観測データに基づいて作成された夏季モンスーン期(6、7及び8月)の平均日降水量分布図(Legates and Willmott,1990及び Spenscer,1993の結果を使用)です。インド−インドシナを中心とした多雨域の他、梅雨前線と太平洋熱帯収束帯の多雨ゾーンが見られます。

図2はCCSR/NIES気候モデルによって得られた夏季モンスーン期の日平均降水分布図です。インドシナを中心とする降雨は適切に再現されていますが、インド西岸の降水、梅雨前線及び太平洋熱帯収束帯における降水の特徴はまだ充分に再現されていません。ここで使用した気候モデルの水平分解能(約600km)は、インド西岸の地形性降水や南北幅の狭い梅雨前線と熱帯収束帯の降水を正確に再現するには充分ではないためです。より正確にモンスーンを再現するためには分解能をさらに高める必要があります。

図1: 観測された6、7および8月の平均降水量(ミリメートル/日)

図2: 気候モデル(T21 L20)で得られた6、7および8月の平均降水量(ミリメートル/日)

アジアモンスーンスケールでみた降水分布

図3はJMA-GSM気象予測モデル(実際の初期値から予測するモデル)の24時間予測値から得られた1991年7月1−10日の日平均降水分布図(青:0mm/day, 黄:0−4mm/day, 赤:4−24mm/day)です。この予測モデルの水平分解能は約100kmであるため、インド西岸の地形性降雨、梅雨前線帯、太平洋熱帯数束帯内部の雲クラスターなどの降雨も再現されています。もし降水分布が正確に再現されているならば、モデルによって得られた夏季モンスーンの風速、気温C量も正確に再現されて居るはずです。 それらのデータを詳しく調べることによってモンスーンの気候の実体の理解を深めることができます。

図3: 高分解能数値予報モデルで得られた1991年7月1−10日の平均降水量

アジアモンスーンの降水と関連する水蒸気の収束と大気の安定度

図4に、図3と同期間について求めた、鉛直に積算した水蒸気流束の発散・収束の分布図を示しました。青域は発散、黄域は弱い収束、赤域は強い収束を表します。発散は水蒸気ソース (水蒸気源:海面からの蒸発が降水を上回る) をCシンク(水蒸気の吸い込み:降水が蒸発を上回る)を意味します。インド洋、アラビア海、ベンガル湾南部および太平洋亜熱帯高気圧域は、夏季モンスーンの降水に対する水蒸気源の役割をはたしていることがわかります。

図4: 図3に対応する水蒸気流束の発散分布

図5は、対流圏下層(500−850hPa層)の鉛直安定度を相当温位の鉛直傾度によって示したものです。赤域は強い対流不安定、黄域は弱い対流不安定、緑域は弱い安定、青域は強い安定を表します。インド・モンスーンの水蒸気ソース域であるインド洋・アラビア海では安定成層であるのに対して東アジア・モンスーン域は対流不安定成層によって特徴ずけられます。この成層状況の差異はそれぞれの地域の降水や擾乱の性質の差異をもたらすはずであり、更に詳しい考察が必要となっています。

図5: 図3に対応する鉛直安定度の分布図


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