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年々変動


異常気象などの気候変動の解明は、災害の軽減とともに、気候システムのはたらきを知る上でも重要なことです。気候システム研究センターでは、観測データの解析とともに気候モデルを用いてメカニズムを明らかにしてゆきます。

モンスーン

インドモンスーンは日本を含めたアジアのみならずアフリカやオセアニアの国々の天候にも大きな影響を与えています。気候システム研究センターの大気モデルは、1980年代に観測されたモンスーンの年々変動の様子をよくシミュレートしています。この変動を支配するのは、モデルに与えたエルニーニョ/ラニーニャ現象にともなう赤道東太平洋の海面水温変動のようです。しかし、それだけではなくて、観測データから推察されているヒマラヤの雪の年による多寡など、陸面−大気相互作用も貢献していることがわかりました。

図1: インドモンスーンの強さの年々変動。赤が観測、緑が大気モデルによるシミュレーション。

図2: モンスーンの前の冬の積雪偏差分布のシミュレーション。上はモンスーンの弱い年、下は強い年。

図3: 図2と同様。ただし、モンスーンの前の春の土壌水分偏差。


エルニーニョ

前のページでもみたように、エルニーニョは短期気候変動の中でもっとも重要なものの一つです。海洋表層の運動もあらわに計算する大気海洋結合モデルを用いて観測と遜色ない大きさのエルニーニョ−南方振動が再現されました。結合モデルでもエルニーニョがモンスーンをコントロールしているようです。

結合モデルにおいては、大気海洋それぞれの欠点が相互作用によって増幅されるため、現実的な気候を再現するのが容易ではありません。モデルにはまだ欠点も多く、結果は観測データとつき合わせて慎重に検討せねばなりません。しかし、モデルの開発とその解析を通じて、気候システムの働きをよりよく理解してゆくことができます。

図4: 赤道東太平洋の海面水温変動。観測と大気海洋結合モデルによるシミュレーションの比較。

図5: エルニーニョにともなう海面水温偏差の分布。観測とモデルの比較。


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