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入学案内
大学院教育では、大学院理学系研究科、地球惑星科学専攻、地球惑星システム科学グループに所属しています。詳しくは、地球惑星科学専攻のウェブページ、およびグループごとの教員リストをご覧ください。日程等に関する正確な情報は、大学、大学院公式ページで必ず確認してください。
研究指導
修士課程
- 研究室の受け入れ可能人数:2名/年度
- 専門分野:地球温暖化・極域気候・古気候・気候モデリング
地球全体の大気や海洋の流れを表現する数値気候モデルを主な研究道具として、過去の古い時代から遠い将来にわたる気候変動の統一的な理解と将来予測の信頼性評価や不確かさの低減を目標としています。十年以上の比較的長い時間スケールの変動に特に興味を持っています。物理プロセスの素過程に注目するというよりは、気候システムという視点からプロセス間の相互作用に焦点を当て、現象のメカニズム理解を目指します。最近は、北極域の温暖化増幅メカニズム、中高緯度の気候変動が熱帯域に与える影響、温暖化時の熱帯域の上層雲の応答、古気候(最終間氷期、完新世中期、最近千年間)の研究を行っています。
- 指導方針と学生の研究テーマ
最先端の気候研究は必ずしも全て一人だけでやるものではありませんが、学生が積極的に疑問を持ち、自らペース配分を考えて進めていくことが期待されます。その上で、研究課題の設定や結果の解釈は一緒に洗練させていければと思います。通常は、研究分野の大枠を選択した後、文献を読みながらテーマを絞っていき、具体的な研究目的であるサイエンス・クエスチョンを形作っていきます。「温暖化」、「極域」、「古気候」というキーワードのどれかに関心のある方に特にお勧めです。一方でこれに限定されず、可能な範囲で、自由な発想を柔軟にサポートしていきたいと考えています。主体的に進められる学生を特に歓迎します。
- 想定される研究ツールやデータ
大気海洋結合大循環モデル、大気大循環モデル、海洋大循環モデル、簡易大気・海洋大循環結合モデル、各種再解析データ、結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP3/5)や古気候モデリング相互比較プロジェクト(PMIP3)の複数モデルの計算結果など。
*** 興味を持たれた方は相談しに来てください(居室: 柏キャンパス総合研究棟209a)。***
大学院での研究の流れ
特に大学院では、主体的に研究を進めることが求められます。これは、一人で抱え込むということではなく、自ら考えて行動を起こすという意味です。疑問を持ち、すっきりと理解していることと、もやもやしていることの区別をつけ、わからないことを質問するのも一つの行動です。
- 文献調査、すなわち先行研究論文を読むことによって「研究の現状」を把握し、「課題の発見」につなげます。
- 研究ツールを理解した上で、自分が挑戦する「課題を設定」します。
- 「研究の目的」を明確にします。長期的な大目標と、1~2年で到達可能な具体的な目的に分けて考えると整理しやすいことがよくあります。
- 研究目的を達成するための「手段」を考え、その適性を評価します。たとえば、使用予定の研究ツールはその問題を解くのに最適か、妥当かを検証します。場合によっては、研究ツールの開発・改良が研究課題になります。
- 「実験のデザイン」をします。
- 実際に実験を行います。当研究室では、基本的にコンピュータの中に作った仮想の地球(気候モデル)を用いて数値実験を行います。
- 等々...
よくある質問
Q. コンピュータが苦手ですが、大丈夫でしょうか?
A. 特に予備知識や得意である必要はありません。ただ、研究にはコンピュータを使いますので、慣れる必要があります。積極的に慣れる気持ちと学ぶ気持ちがあれば、問題ないと思います。基礎学力や個性の発揮と違い、コンピュータは経験だと思います。
Q. プログラミングが苦手・未経験ですが、大丈夫でしょうか?
A. プログラムを書くのが目的ではなく、サイエンスが目的ですので、自分の得意なところや個性を活かして研究に貢献してください。基本的に数値モデルをゼロから自分で作成するわけではないので、目的や目指すところにもよりますが、一般的なデータ解析と同程度の処理技術を研究をやっていく中で身につけていけば問題ないと思います。