毎週木曜午前 10:00より東京大学柏キャンパス総合研究棟270号室にて開催
担当 浦川 surakawa(at)ccsr.u-tokyo.ac.jp
2008年度後期 発表者 (敬称略)
10/16 浦川 (CCSR D1)
10/23 松村 (CCSR D3)
11/13 藤崎 (工学系研究科 D3)
11/20 渡辺 (CCSR PD)
11/27 岡 (CCSR 特任助教)
12/11 笹島 (CCSR PD)
1/15 草原 (CCSR PD)
1/22 建部 (CCSR 教員)
1/29 黒木 (地球環境フロンティア)
2/26 坂本 (地球環境フロンティア)
過去の発表概要はこちら
南大洋での水塊変質に関する論文を参考文献(特に2本目)を中心に紹介する。 参考文献1本目はneutral density上で定式化された水塊変質の診断式に短波放射の透過を組み込みその影響を議論したもの、 2本目は上記の手法を用いて南大洋における水塊変質を議論したもの、 3本目はラグランジュ粒子解析によって水塊変質を議論したものである。
参考文献:
Iudicone et al., Water-mass transformation in a neutral density framework and the key role of light penetration, JPO, 38, 1357-1376, 2008
Iudicone et al., The role of Southern Ocean surface forcings and mixing in the global conveyor, JPO, 38, 1377-1400, 2008
Iudicone et al., The global conveyor belt from a Southern Ocean perspective, JPO, 38, 1401-1425, 2008
南極海陸棚域での高密度水の沈降過程を数値モデルにより扱った研究の紹介. 前半は博士論文審査会を想定しての発表, 後半は特に海底地形の起伏がどう影響するかに関して力学的な議論を行う.
参考文献:
Foldvik et al., 2004:
Ice shelf water overflow and bottom water formation in the southern Weddell Sea, JGR 109(C2), C02015.
Darelius and Wahlin, 2007:
Downward flow of dense water leaning on a submarine ridge, Deep Sea Research Part I 54(7), 1173-1188.
Darelius, 2008:
Topographic steering of dense overflows: Laboratory experiments with V-shaped ridges and canyons,
Deep Sea Research Part I 55(8), 1021-1034.
オホーツク海海氷-海洋相互作用について調査するため、高解像海氷-海洋モデルを用いた数値シミュレーションを行った。
セミナーでは後述する調査内容について報告し、最後に関連文献を一つ紹介する。
まず、モデルの再現性を評価するために、地上風速データに乗じる係数、大気海氷間抵抗係数のダイナミックレンジを事前評価し、これらを変えることによる海洋循環、表面水温、海氷生成量の変化を観察した。
次に、オホーツク海北部陸棚域で生成される高密度棚水に関して、海域毎の生成量および他海域への輸送量を調査した。
最後に、オホーツク海氷縁域における海氷融解量についての調査について報告する
最後の項目に関連して、下記の調査論文を紹介する。
参考文献:
Bitz et al., "Maintenance of the Sea-Ice edge", J. Climate, vol. 18, 2903-2921, 2005
海洋中の鉛直拡散エネルギーは潮汐と風応力から与えられると考えられている. このうち潮汐によるエネルギーは,海底地形と潮汐の相互作用によって内部波が励起され,その内部波が砕波することによって拡散を引き起こす. 本セミナーでは,ハワイ沖における内部潮汐波の伝播および拡散係数の見積もり を行った論文,およびブラジル海盆において係留計観測から拡散係数を見積った 最近の論文を紹介する.
関連論文:
Internal Waves across the Pacific, Alford et al., GRL, doi:10.1029/2007GL031566, 2007.
Temporal Characteristics of Abyssal Finescale Motions above Rough Bathymetry, Toole, JPO, doi:10.1175/JPO2988.1, 2007
要旨:
最終氷期における大西洋深層循環の大気海洋結合モデルシミュレーション
を相互比較した論文の紹介、、および(時間が許せば)私が行っている
海洋モデル実験の結果についての紹介。
要旨:
高密度水の陸棚斜面における沈降を例として深度座標系モデルと地形準拠座標系
モデルの比較を行った論文を紹介する。
また、海盆スケール循環における一般直交座標系(深度+地形準拠)モデルのパ
フォーマンスを論じた論文も紹介する。
関連論文
Ezer and Mellor, 2004:
A generalized coordinate ocean model and a comparison of the bottom
boundary layer dynamics in terrain-following and in z-level grids, Ocean
Modeling 6(4), 379-403
Mellor et al., 2002:
A generalization of a sigma coordinate ocean model and on
intercomparison of model vertical grids.
In: Pinardi, N., Woods, J.D. (Eds.), Ocean Forecasting: Conceptual
Basisand Applications. Springer, New York, 55-72.
縁辺海と外洋の水塊交換を理想化した条件で数値的・解析的に調べた論文を紹介 する。
参考文献:
Iovino et al. 2008,
On the effect of a sill on dense water formation in a marginal sea.
Journal of Marine Research, 66, 325-345
Spall 2004,
Boundary current and watermass transformation in marginal seas.
Journal of physical oceanography, 34, 1197-1213
平均的な赤道水温躍層の形成/維持について論じた以下の論文2つを紹介する。
参考文献:
Boccaletti et al., 2004:
The thermal structure of the upper ocean,
J. Phys. Oceanogr., 34, 888-902.
Boccaletti et al., 2005:
Timescales and dynamics of the formation of a thermocline,
Dyn. Atmos. Oceans, 39, 21-40.
対馬海流の流量に関する論文を紹介する。
(1)はGodfreyの島法則に海峡部の海底摩擦の効果を加えることで流量の過大評価
を修正したもの、
(2)はGCMと解析モデルを用いて、流量の平均値と季節変動を決めるメカニズムを
調べた論文である。
参考文献:
(1)Seung, Y. H. (2003): Significance of shallow bottom friction in the
dynamics of the Tsushima Current. J. Oceanogr., 59, 113-118.
(2)Tsujino, H., H. Nakano and T. Motoi (2008): Mechanism of currents
through the straits of the Japan Sea: mean state and seasonal
variation. J. Oceanogr., 64, 141-161.
大西洋子午面循環の経年変動とその要因に関するモデル研究について以下の二本 の論文を中心に紹介する。
Dong, B.-W. and R. T. Sutton (2001), The dominant mechanisms of
variability in Atlantic ocean heat transport in a coupled
ocean-atmosphere GCM, GRL, 28, 2445-2448.
Cabanes, C., T. Lee, and L.-L. Fu (2008), Mechanisms of interannual
variations of the meridional overturning circulation of the North
Atlantic Ocean, JPO, 38, 467-480.