毎週木曜午後 03:00 より東京大学柏キャンパス総合研究棟 270 号室にて開催
担当 後藤 goto-yasutaka(at)aori.u-tokyo.ac.jp
2015 年度前期 発表者予定 (敬称略)
04/16 小林
(大気海洋研究所 気候システム研究系 D2)
04/23 後藤
(大気海洋研究所 海洋地球システム研究系 D1)
04/30 宮本
(大気海洋研究所 海洋地球システム研究系 D1)
05/07 藤尾
(大気海洋研究所 海洋地球システム研究系 准教授)
05/14 坪内
(National Oceanography Centre, Southampton, UK)
05/21 川崎
(大気海洋研究所 気候システム研究系 研究員)
05/28 田中
(大気海洋研究所 海洋地球システム研究系 研究員)
06/04 干場
(大気海洋研究所 気候システム研究系 研究員)
06/11 休み
06/18 休み
06/25 休み
07/02 休み
07/09 山本
(大気海洋研究所 海洋地球システム研究系 M1)
07/16 休み
07/23 辻
(大気海洋研究所 海洋地球システム研究系 M1)
過去の発表概要はこちら
内容:
海洋堆積物は、過去の気候変動の指標(プロキシ)となるだけでなく、全球炭素循環との相互作用により長期気候変動に役割を果たす。海洋生物化学モデルに堆積モデルを結合し数値実験を行った研究のレビューを行う。また、それに関連した自分の研究予定を報告する。
参考論文:
・
Roth, R., S. P. Ritz, and F. Joos (2014):
Burial-nutrient feedbacks amplify the sensitivity of atmospheric carbon dioxide to changes in organic matter remineralisation,
Earth Syst. Dynam., 5, 321--343
・
Heinze, C. (1999):
A global oceanic sediment model for long-term climate studies,
Glob. Biogeochem. Cycles, 13, 221--250
内容:
地形性ロスビー波に関する論文紹介
紹介論文:
・
Oey L. -Y., Y. -L. Chang, Z. -B. Sun and X. -H. Lin (2009):
Topocaustics,
Ocean Modell., 29, 277--286
内容:
係留系に搭載した高速水温計を用いた観測の論文紹介
紹介論文:
・
Moum, J. N., and J. D. Nash (2009):
Mixing measurements on an equatorial ocean
mooring,
J. Atmos. Oceanic Technol., 26, 317--336
・
Perlin, A. and J. N. Mouom (2012):
Comparison of Thermal Variance Dissipation Rates from Moored and Profiling Instruments at the Equator,
J. Atmos. Oceanic Technol., 29, 1347--1362
・
Moum, J. N. et al. (2013):
Seasonal sea surface cooling in the equatorial Pacific cold tongue controlled by ocean mixing
Nature, 500, 64--67
内容:
サモア水路における流量・流路に関する論文紹介
紹介論文:
・
Voet, G., J. B. Girton, M. H. Alford, G. S. Carter, J. M. Klymak, and J. B. Mickett (2015):
Pathways, Volume Transport, and Mixing of Abyssal Water in the Samoan Passage,
J. Phys. Oceanogr., 45, 562--588
内容:
近年、様々な観点から北極圏の気候システムが急速に変化している事が指摘されている(Polar amplification、海氷分布の減少、グリーンランド氷床の融解、淡水貯蔵量の増加など)。これらの急激な気候システムの変化を理解する上で、海洋循環および海氷移流に伴う熱、淡水輸送量を定量的に見積ることは重要である。その一方、熱、淡水輸送量の定量的な見積もりを行うための必要条件である質量保存を満たす海洋循環場を観測データから得る事は容易でない。
近年の北極海の観測網の充実により、北極海と周辺海域を結ぶ主要海峡(Davis海峡、Fram海峡、Barents Sea Opeing、Bering 海峡)には高空間分解能の船舶観測および係留系観測が欧米各国の研究機関により維持されている(3カ国5研究グループ)。2004年以降の毎年夏季には、欧米各国の研究機関がそれぞれの観測測線の定期観測を行っている。
本発表では、この欧米各国の研究機関が維持する北極海環状の定期観測測線の観測データを統合し、北極海を閉海域として扱うことで、北極海の気候システムを理解する研究内容を紹介する。具体的には、以下の2つの研究内容を紹介する。
1. シノプティックな北極海の熱淡水収支:
2005年夏季のシノプティックな北極海環状の熱淡水収支を求めた。まず始めに、北極海を環状に取り囲む質量保存を満たす流速場を、北極海環状の観測データ(CTD観測、係留系観測)にボックスインバース法を適応することで求めた。得られた流速場から推定される海洋かつ海氷による熱輸送量の推定値±推定誤差は192±37 (TW)、淡水輸送量の推定値±推定誤差は186±48 (mSv)であった。淡水輸送量の推定値は過去の研究と近い値である一方、熱輸送量の推定値は1980年代の観測データを基にボックスインバース法で推定した過去の研究の値の2倍であった。
2. 北極海の熱淡水収支の季節変動:
北極海環状の観測ライン上の40系の係留系、140個の係留測器の観測データのみによる2005-06年の北極海の熱淡水収支の季節変動を求めた。海氷の質量輸送量はPIOMAS(Zhang and Rothrock, JGR; 2003)のデータを用いた。まず始めに、ボックスインバース法を適応することで、質量保存を満たすシノプティックな流速場を月単位で求めた。得られた海洋の質量輸送量の年平均値±標準偏差は Davis 海峡で -2.1±0.7 (Sv)、Fram 海峡で -1.0±1.1 (Sv)、Barents Sea Openingで 2.3±1.2 (Sv)、Bering 海峡で 0.7±0.6 (Sv)であった。海氷の質量輸送量は-58±37 (mSv)であった。この海洋循環および海氷輸送に伴うの熱輸送量の年平均値±標準偏差は176±47 (TW)、淡水輸送量の年平均値±標準偏差は213±80 (mSv)であった。熱輸送量の時間変動は、Fram海峡およびBSOの水温変動、流速変動に起因しているのに対し、淡水輸送量の時間変動は、Bering海峡の流速変動にほぼ完全に支配されていることが分かった。
内容:
バレンツ海における熱フラックスについての最近の論文紹介
紹介論文:
・
Pavlova, O., V. Pavlov, and S. Gerland (2014):
The impact of winds and sea surface temperatures on the Barents Sea ice extent, a statistical approach,
J. Mar. Sys., 130, 248--255
・
Moat, B., S. A. Josey, and B. Sinha (2014):
Impact of Barents Sea winter air-sea exchanges on Fram Strait dense water transport,
J. Geophys. Res. Oceans, 119, 1009--1021
紹介論文:
・
Whalen, C. B., J. A. MacKinnon, L. D. Talley, and A. F. Waterhouse (2015):
Estimating the Mean Diapycnal Mixing Using a Finescale Strain Parameterization,
J. Phys. Oceanogr., 45, 1174--1188
内容:
論文紹介+遺伝的アルゴリズム(GA)の詳細
紹介論文:
・
Shigemitsu, M., T. Okunishi, J. Nishioka, H. Sumata, T. Hashioka, M. N. Aita, S. L. Smith, N. Yoshie, N. Okada, and Y. Yamanaka (2012):
Development of a one-dimensional ecosystem model including the iron cycle
applied to the Oyashio region, western subarctic Pacific,
J. Geophys. Res., 117, C06021
内容:
論文紹介
紹介論文:
・
Nikurashin M. and G. Vallis (2011):
A Theory of Deep Stratification and Overturning Circulation in the Ocean,
J. Phys. Oceanogr., 41, 485--502
内容:
論文紹介
紹介論文:
・
Mauritzen, C., K. L. Polzin, M. S. McCartney, R. C. Millard, and D. E. West-Mack (2002):
Evidence in hydrography and density fine structure for enhanced vertical
mixing over the Mid‐Atlantic Ridge in the western Atlantic,
J. Geophys. Res. Oceans, 107, 11-1--11-19