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気候モデルによる地球温暖化研究


大気-海洋結合モデルによる研究

 温室効果気体が増加した時の気候変化を知るために、 気候モデル を用いてシミュレーションによる研究を行なっています。
気候の形成に海洋は重要な役割を果たしています。 気温上昇の時期や地域分布を明らかにしていくためには、 海洋循環の変化が気候変化に及ぼす影響を取り入れることが必要です。 そのために、大気大循環モデルに海洋大循環モデルを結合させた 「大気-海洋結合モデル」を開発しました。
大気-海洋結合モデルを用いて、 二酸化炭素濃度を増加させ、 現在の二酸化炭素濃度によって得られる気候状態と比較を行ないます。 増加の割合は1年に1%で、 約70年で初めの2倍になります。 その結果、高緯度では、 地上気温の上昇によって積雪域が減少し、 地表面の反射率が減少してさらに地上気温が上昇する、 という正のフィードバックが働き、 他の地域よりも気温上昇が大きくなると予測されています。

CCSR/NIES 大気-海洋結合モデルによる
二酸化炭素倍増時の地表面温度上昇の年平均値


<解説>海氷のインパクトが過大評価気味なため、 高緯度の海上での温度上昇が大きめになっている。
CCSR/NIES 大気-海洋結合モデルによる
二酸化炭素倍増時の降水量変化の年平均値


図をクリックするとアニメーション(mpeg)が始まります。 ファイルサイズ(約2MB)に注意!。

 しかし、現在のモデルによる研究結果にはまだ多くの不確定性が含まれています。 現在のモデルの解像度は水平数100km、鉛直数km程度ですが、 それよりも小さな現象が気候変動に与える影響をどのようにモデルにとり入れるか、 改良が続けられています。 また、複雑な 気候システム には未解明の部分もたくさん残されています。
 例えば、雲は日射を反射する性質(冷却に働く)と 赤外線を吸収する性質(温暖化に働く)を合わせ持っており、 しかもその性質は雲の高度・粒径分布・組成(氷粒・水粒)などによって変化します。 様々な雲がどのような放射特性を持つかはまだ良く分かっておらず、 温暖化の予測研究において大きな不確定要因の一つとなっています。


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