気候モデリング特論(2007年度後期)
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開講場所、日時、および担当教員
場所: 環境科学院 2F 講堂
日時: 木曜3講目 (13:00〜14:30)
担当: 渡部雅浩 (地球環境科学研究院)、中村知裕 (低温科学研究所)
本講義の目的
気候システムの理解やその将来予測のための重要な研究手法の一つである
数値モデルを扱えるようになることを目標とし, 前半では数値計算の
原理, 基礎的な技術および問題点について講義する. その後, 大気海洋に
関する最先端のモデルを用いた研究例を概観する. 前半の内容は
数値モデリング演習ともリンクしている.
講義スケジュールの予定と担当
第1回 10/5 (木) 13:00-14:30 (渡部)
第2回 10/12(木) 13:00-14:30 (渡部)
第3回 10/19(木) 13:00-14:30 (渡部)
気象学会のため休み 10/26(木)
第4回 11/2 (木) 13:00-14:30 (渡部)
第5回 11/9 (木) 13:00-14:30 (渡部)
集中講義のため休み 11/16(木)
祝日のため休み 11/23(木)
第6回 11/30(木) 13:00-14:30 (渡部)
第7回 12/7 (木) 13:00-14:30 (中村)
第8回 12/14(木) 13:00-14:30 (中村)
第9回 12/21(木) 13:00-14:30 (中村)
年末年始のため休み 12/28(木)
年末年始のため休み 1/4 (木)
第10回 1/11(木) 13:00-14:30 (中村)
第11回 1/18(木) 13:00-14:30 (中村)
第12回 1/25(木) 13:00-14:30 (中村)
第13回 2/1 (木) 13:00-14:30 (中村)
予定講義内容(渡部担当分)
§1 差分の原理
- 1.1 はじめに - 我々にとって「モデル」とは何か -
- 1.2 気象学・海洋物理学におけるモデル
- 1.3 差分の原理
- 1.4 有限差分の離散表現
- 1.5 切断誤差と精度
- 1.6 適合性
- 1.7 空間差分の一般的表現
- 1.8 2階微分に対する差分
- 1.9 周期関数に対するフーリエ表現
- 1.10 エリアシング
§2 1階の常微分方程式の差分解法
- 2.1 基本的なスキーム
- 2.2 各種スキームの導出 - その1 -
- 2.3 各種スキームの導出 - その2 -
- 2.4 反復するスキーム
- 2.5 収束と安定性
§3 振動方程式および減衰方程式の解法
- 3.1 スキームの安定性I:振動方程式
- 3.1.1 解の増幅率
- 3.1.2 two-levelスキームの安定性
- 3.1.3 three-levelスキームの安定性
- 3.1.4 物理モードと計算モード
- 3.2 スキームの安定性II:減衰方程式
- 3.2.1 two-levelスキームの安定性
- 3.2.2 three-levelスキームの安定性
- 3.3 減衰振動方程式
§4 1次元移流方程式
- 4.1 x-t空間での差分化
- 4.2 特性曲線と依存領域
- 4.3 安定性の判別
- 4.3.1 直接法
- 4.3.2 エネルギー法
- 4.3.3 von Neuman法
- 4.3.4 行列法
- 4.4 スキームの安定性III:
- 4.4.1 two-levelスキームの安定性
- 4.4.2 上流差分と下流差分
- 4.4.3 three-levelスキームの安定性
- 4.4.4 two-level反復スキームの安定性
- 4.5 位相誤差と数値分散
§5 2次元移流方程式と渦度方程式
- 5.1 2次元移流方程式
- 5.1.1 2次元の場合のCFL条件
- 5.1.2 Split法
- 5.2 非線型渦度方程式
- 5.2.1 非線型不安定
- 5.2.2 Jacobi演算子と保存則
- 5.2.3 エネルギーとエンストロフィーのカスケード
- 5.2.4 荒川Jacobian
- 5.2.5 荒川Jacobianの計算例
§6 線型の浅水方程式
* 浅水モデルについては、中村さんの講義で詳しくとりあげますのでスキップします。
§7 スペクトル法
- 7.1 直交基底関数による水平離散化
- 7.2 球面の順圧スペクトルモデル
- 7.2.1 球面調和関数
- 7.2.2 Gaussの求積法
- 7.3 スペクトル法と差分法の比較
§8 AGCMを用いた研究
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Last modified: Wed Nov 7 21:35:30 JST 2007