系長挨拶
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系 長
羽角 博康
東京大学大気海洋研究所気候システム研究系が発足してから13年が経過しました。当系は旧東京大学気候システム研究センターの流れを汲み、そこから数えると30年以上にわたり、地球温暖化に関わる気候予測研究や、その基盤となる気候の基礎科学研究に取り組んできました。特に、数値
シミュレーション研究や人工衛星観測データ解析研究を強みとしつつ、所内他系はもとより国立
環境研究所や海洋研究開発機構などの国内研究機関と連携しながら、世界における気候研究拠点のひとつとして活動してきたものと自負しています。今後もこうした活動を継続し発展させていく
つもりです。
この間、地球温暖化の影響は気候の様々な側面で顕在化し、豪雨や猛暑といった極端現象を
はじめとして、人間の生活や社会への波及も深刻度を増しています。それにあわせて、社会的関心が深い問題により直接的に答えていく方向にも我々の研究は広がっています。そうした中で昨年、地球温暖化問題を
幅広い学術分野の融合的枠組みで捉えながら具体的解決に導くことを目的として、東京大学に気候と社会連携研究機構が設立されました。我々も系を挙げてこの活動に参画し、気候科学研究者としての社会的使命を果たしていこうとして
います。
過去3年間、我々の研究教育活動も様々な側面において新型コロナウィルス感染症による制約を受けてきました。特に、大学院学生や若手研究者を育成する組織として、研究上および日常のコミュニケーションが不足したことは大きな痛手であったと感じています。今後については未だ予断を許さないところですが、状況が後戻りしないことを祈りつつ、従来の姿を取り戻していこうと思います。
我々の活動にご理解を賜り、様々な形でご指導やご支援をいただければ幸いです。
2023年4月1日
東京大学大気海洋研究所 気候システム研究系 系長 羽角 博康