研究テーマ
はじめに
地球温暖化は、人間の生活(安全、健康、水資源、食糧、経済、エネルギー、サービス)や生態系・生物多様性に多大な影響を与えうる現代の深刻な環境問題の一つです。地球科学的には、『自然』という枠組みの中で変動してきた気候システムが、人間活動といういわば『外部』からの刺激に対してどのように応答するかという、本質的理解が試される課題でもあります。環境影響やその対策を考える上で基礎情報となる気候の将来予測は、地球全域をカバーした数値気候モデルを中心に行われますが、様々な要因により不確実性が生じます。私の研究では、その不確実性を低減するべく、主に気候モデルを使って、「極域の温暖化増幅メカニズムの解明」、「中・高緯度から熱帯へのテレコネクション・メカニズムの解明」、「古気候から将来の気候予測への知見の提供」、「気候-氷床相互作用の理解」、「気候-植生相互作用の理解」などに取り組んでいます。その他、不思議に思ったことはなんでも精力的に調べて行くつもりです。
2013-2014年に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書ワーキンググループI(自然科学的根拠)では、過去の気候変動に関する第5章と将来の海面上昇に関する第13章に協力執筆者として参加しました。
自然科学者として、地球環境が変動するメカニズムの理解という科学的真理の追及と地球規模の環境問題に対する正しい知見の提供という社会的役割を果たすことを最終的な目標としています。
キーワード
:地球温暖化,極域気候,古気候モデリング,全球気候モデル
気候システム・地球温暖化・極域気候変動
古気候モデリング
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今、なぜ古気候?
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古気候モデリングとは
- 過去の温暖期(6千年前,12万年前,300万年前)
- 氷期における急激な気候変動
- 最終氷期最盛期(2万年前)
- 氷期・間氷期サイクル
- 最近千年の気候変動